リポソームは内容物を効果的に
体内の目的地まで届ける「運び屋」

リポソームとは、脂質分子が自然に形成する微小な球状の構造体です。簡単に言うと、極小のカプセルに成分を閉じ込めることで、ゆっくり浸透し高い吸収率を実現できます。

この微小な球状の構造体は、私たちの体内に存在する細胞膜と非常によく似た構造を持っています。細胞膜は、細胞の内部を保護し、必要な物質を取り入れ、不要な物質を排出する役割を担っています。リポソームも同様に、内部に薬品や栄養素を包み込んで、それを保護しながら特定の部位まで運ぶことができます。

これにより、リポソームは内容物を効果的に体内の目的地まで届ける「運び屋」の役割を果たします。

体内で徐々に分解されるため、
薬物や栄養素が一定の速度で放出

リポソームは、医薬品の分野で広く活用されています。リポソームは親水性物質を内部に、疎水性物質を脂質二重層に取り込むことができるため、さまざまな種類の薬物を運搬することができます。例えば、特定の薬物を腫瘍や炎症のある部位に直接届けるために使用されることがあります。

また、リポソームは体内で徐々に分解されるため、薬物や栄養素が一定の速度で放出されるように設計されています。また、リポソームは生体適合性と生分解性に優れているため、安全性が高く、人体に優しい技術として評価されています。この特性により、リポソームは医療だけでなく、美容や健康のためのサプリメントにも使われています。